46番〜67番まで
…準備中有り…すみません。
ちょっとずつアップしていきます。
桃色はももやそ狂言で出た演目となります
…準備中…
牛馬の新市を立てるについて、一の杭についた者には、商売上の特典を与えられると云うので、
博労(ばくろう 馬や牛の仲介職人)・牛博労が先手を競い、馬・牛の徳を語り、果ては駒比べ(競馬)になります。
この曲は「止動方角」のような馬は出ず、杖竹に黒い毛を付けたのが牛、白い毛を付けたのが馬で、乗る時も牛は後ろの方へ、馬は右から(日本の馬術古来の乗り方)乗ります。
薑売りが都へ商売に向かう途中、酢売りに出会います。蓋売りは、自分に無断で酢を売るなど言語道断と主張し「そもそも蓋は辛いもので、からこ天皇の時に…」と、辛い物尽くしで、商売の司である理由を述べます。対して酢蔓売りは、「酢は、すいこ天皇の時に…」とス尽くしで対抗します。そこでニ人は都に向かう道中に、お互いダジャレを言って勝負を決することにし、「カラ傘」「スげ笠」などと言って互いに賞賛し、勝負もつかず笑って別れるのでした。
日常にある風景を軽快な言葉遊びで笑い合う姿が微笑ましい演目です。
あわせがき(淡せ柿)とは渋をぬいた柿です。
都の者が寄り合って宇治へ柿を食べに行く途中、宇治の柿売りに出合います。柿を買おうとしますが、見れば渋そうな柿。柿売りは甘いと主張するので、一同は柿売り自身が食べてみて甘ければ代価を払ってやると約束します。柿売りは食べ、渋そうな顔をしながらも、なお甘いと言い張ります。そこで一同は嘯(口笛)を吹かせてみますが、渋味で口が自由にならず音が出ません。一同が笑って行き過ぎようとすると、柿売りは代金を払わないうちは通さないと強硬な態度をとるので、喧嘩となり柿売りは袋叩きにされ、終いには荷をひっくり返されてしまいます。
柿売りが柿を売る為に、渋さを堪えてなんとか口笛を吹こうと苦心する所に、哀れさを感じさせ、舞台上で口笛を吹くのは本曲だけと云う珍しい曲。
隣接して田を持つ舅と聟が、双方の間に流れる水をそれぞれ自分の田に引こうとするが、畦を切った水は一方にしか流れ込まない。まず舅が自分の田に水を引く。今度は聟が自分の田に水を引き直す。再び舅が自分の田に引き直し、番をしていると聟が現れ口論となるが、そのうち争いは、お互いに水を掛け合うほど激しくなり、聟の妻が仲裁に入る。
都に住む医者が、生活に困って他国へ移る途中、突然、雷が雲間から足を踏みはずして落ちて来ます。雷は、腰を打った為に空に帰る事が出来ず、その医者に色々療治を言いつけます。そこで医者は、鍼を打つことになりますが、なかなか思う様にはいかず、色々と苦労をしてようやく治してあげます。すると雷は感謝して、薬礼に、八百年間、干害水害のないよう守ってやろうと約束し、医者には典薬頭(てんにゃくのかみ)という称号を与え、喜び勇んで天上します。
舅の家へ聟入り(結婚後に夫がはじめて妻の生家に行く儀式)をし、祝盃をめでたく飲み納めますと、かねて用意のわらび餅が運ばれて来ます。初めて口にした聟が名を尋ねると、舅は、わらび餅と云うが、昔、延喜の帝(醍醐天皇の御事、御代の年号に因む入九七~九三〇)がお好きで官位を下されたので岡太夫ともいい、朗詠の詩にものっていて、しかも娘が作り方を知っていると答えます。やがて帰宅した聟は、さっそく妻に作らせようとしますが名前が出て来ません、記憶をたどって、ようやく朗詠の詩にあるもの、とまでは思い出したのですが…。
新婚家庭のほのぼのとした名曲です。
主人の留守中、度々主人の酒で宴会をする太郎冠者と次郎冠者.…。困った主人は、今日こそは飲まれまいと、二人を縛りつけて出かけます。それでも酒が好きな二人は、まんまと縛られながらも、宴をはじめます…。海外公演などでも多く演じられ、わかりやすく人気の高い、明るく楽しい曲の一つです。
お堂を建立したが住持がいないので、上下の街道へ出家を捜しに出た施主二人。通りかかった出家は、上方一見を志す東国方の僧。声をかけると、止め手があればどこへでも止まるということなので、さっそく住持を頼み同道します。道すがら、「もし、経をご存じでござるか」と聞けば、いろいろな経は知っているが「もし経」は知らないと答えたり、手跡(手習い)を問へば「みみづがのたくったような事はする」などと答へたり、名前を尋ねると、今まで新発意とばかり呼ばれて定まった名のない僧は、口から出まかせに「腹たてずの正直坊」と名乗ります。施主達は腹を立てない者はいないと、二人で僧をからかい腹を立てさせようとしますが…。
遊山に出る大名が、ある亭園の庭を鑑賞に行き歌を所望される。歌に疎い大名は、太郎冠者の知恵で歌を詠もうと努力するが見事に失敗してしまう。
庭園の有り様が大きく繰り広がる演技の難しさがある曲。
清水の縁日に、主人が太郎冠者に太刀を持たせて出かけます。参籠するうちに素破(すっぱ=詐欺師)が現れ、太郎冠者が寝ている隙に太刀を杖竹とすり替えてしまいます。帰る道々、太郎冠者は言い訳に成上がりの例を話し、太刀が杖になった事を切り出すのですが、、、縁日の賑やかさの中にのんびりとした様子も伺えます。「くちなわ」という言葉が出てきますが、蛇のことです。
遠江の国見付の宿の者が上方見物を志し、途中大津松本の市を見物している所へ、心も直ぐにない者が言葉巧みに近づき、石山の観世音参詣に事寄せて定宿へ連れ込む。そこの亭主は実は人買いで、田舎者を二〇〇疋で買い、代金は明朝渡すことに決める。この相談を盗み聞いた田舎者は先廻りして代金を受け取って逃げる。
あとを追った人売が、持った太刀を振り上げると、田舎者は自分は磁石の精だと名乗り、大口をあけて太刀を呑もうと機転をきかすが・・・・・・・磁石という当時珍しかったものを主題にしているのが奇抜で、アドの活躍が目立つ異色の曲。
主人は太郎冠者を呼び出し、滞納しているいつもの酒屋で酒を一樽求めて来る様命じます。「口切りをさせる」との言葉に、太郎冠者は酒屋へ出かけます。案の定酒屋は容易に樽を渡しません。そこで酒屋が話し好きなのを幸いに、尾張の津島祭りの様子を話し始めます。まず伊勢路の途中、子供が浜辺で千鳥を伏せるところから始め、千鳥に見立てた樽を、仕方話しの合間に持って逃げようとしますが、見破られてしまいます。今度は山鉾を引く様子を見せようと、樽を巻いた綱を手繰り寄せますが、是も失敗。それではと、流鏑馬(やぶさめ)の様子に話題を代え、酒屋に馬場先の人々を払う役を持たせ、竹杖を馬に見立て自分はそれに乗り射手の体で走り廻りますが・・・。
当時お酒の事を「うま」「おうま」とも言っていた様です。
…準備中…
右近は妻を呼び出すと、左近の牛が自分の田を喰い荒したので、地頭殿へ申し上げ裁判して貰うと言い出します。妻は口下手な右近が出ても負けになると説得するのですが、それならば代わりに行けと言う始末。呆れ果てた妻は、ともかく稽古をするように勧め、自分は烏帽子を着け、刀を差し、棒を持って地頭に扮し、右近の言動を直す事にします。
右近は地頭の円から玄関、さらに白州へと通る真似をして、いよいよ地頭の前に出て訴える段に成りますが、地頭に扮した妻とも忘れ、どぎまぎして妻に叱られるとその場で気を失ってしまいます。
農村を舞台に濃い土臭さを感じさせる曲。
…準備中…
家来の一人しかいない大名が、新参者を抱えたいと太郎冠者に相談します。相談の結果一人召し抱える事になり、太郎冠者が街道へ人探しに行くと、奉公の望みを持つ遠国方(おんごくがた)の者が通りかかり連れて戻ります。大名は威厳を示そうと、「たくさんいる馬に湯洗いさせい」などと大げさな事をいい、目通りを許し特技を尋ねます。相撲が得意と聞いた大名は喜び、適当な相手がいないので大名自ら取り組む事に成りますが、新参者が大名の鼻をつかむようにすると目を廻してしまいます。聞けば国許ではやる鼻取相撲の手だとの事。夫ならばと大名は土器で鼻を覆います。
相撲物といわれる「蚊相撲」「文相撲」などと同じ様な筋立てですが、左右に穴をあけ、紐を通した土器を鼻に当てた大名の姿が、独特の可笑しさを醸し出します。
津の国兵庫の浦に住んでいた漁師が出家して、上方行脚に出掛け、似合わしい所があれば良い師匠について修行をしようと旅に出ます。途中一休みしていると、持仏堂を建立した志の深い人が住持を求めて通りかかり連れて戻ります。まだゆっくりとしないうちに説法を頼まれた出家、経文すら知りません。知っている魚の名是を集めて法文らしく聞かす事に成ります。
曲中の説法の中に魚の名を上手に洒落た所等は笑いを誘います。
妻のない男が、太郎冠者を連れて、清水の観世音へ妻乞いの参籠をする。「西門に立った女を妻にせよ」とお告げを受け、二人は西門に行くと女が立っている。主人に命じられて太郎冠者が宿を尋ねると「恋しくば、問うても来たれ伊勢の国、伊勢寺本に住むぞ姿は」と詠んで立去ってしまう。二人は「恋しくば間ふても来たれ、い」までしか思い出せず、往来の人に下の句をつけさせようと、歌関を立て待つ所へ、使いの者が通りかかる。使いの者は、それはおそらく、いの字のついた国の名であろうと、いの字のついた国の名を謡と舞でいい当てる事に成るが・・・・・・・各地に関所が設けられた中世を反映しているが、歌関という着想が叙情味の濃い曲に仕上げている。
女が河原の市へ酒店を出し大勢の客を迎えます。そこへ亭主の太郎が来て酒をねだりますが、女が断ると色々と嫌がらせをしてくるので、仕方なく酒を飲ますことになります。太郎は滝飲みという変わった飲み方をしたいと言い出します。
暇を乞わずに外出した太郎冠者に立腹する主人ですが、京見物と聞いて許し、都でご馳走になった品は何かと聞きます。太郎冠者はその名を忘れてしまい「日頃、主人の語る右橋山合戦物語の中にある」と言い、主人の語りが始まります。
これは「源平盛衰記」を題材とした曲で、主人の語りが見せ場となっています。語りの緊張感、意外なところで落着するおかしさを味わってください。
温糟粥(うんぞうかゆ)釈迦が修行を終えて初めて食した粥、12月8日の夜に禅寺で作る粥の一種、味噌と四角に切った酒粕を加えて煮た粥。
あちこちで相撲が流行り、大名は相撲取りを抱えようと太郎冠者を都へ遣いに出します。太郎冠者は街道で相応しい男を見つけ連れて帰りますが、それは蚊の精が化けた相撲取りでした。